闘うプログラマー(G・パスカル・ザカリー著)


熱い、デビッド・カトラー!!「闘うプログラマー」の主人公にして伝説のプログラマー。
デヴィッド・カトラー - Wikipedia

Windows NTの開発中、気に入らないことがあると壁を殴って穴をあけることもしばしばあった。そのため、ビル・ゲイツマイクロソフトのオフィスが穴だらけになるのを恐れて、コンクリートむき出しの部屋を多く作成した。

この本はカトラー率いるチームがWindows NTを完成させるまでの物語。主人公だから当然話の中心はカトラーなんだけど、本当に彼は中心にいました。NTチームの誰もがカトラーを恐れ、尊敬し、慕っていた(慕っていたのは一部かもしれないけど)のがよく分かる本です。
序章、一章はカトラーやビルゲイツなどのバックグラウンドについてなのであまりそそられないけど、カトラーがMSに入ってから怒涛のように話に引き込まれる。カトラーは誰よりも仕事をし、怒鳴り、考える。NTを作るために5年間、本当にNTのことだけをやってきたんだと思います。そしてそれはNTチームメンバーも。仕事に没頭しすぎて家族や友人を失ったメンバーも多くいたそうです。


この本を読んだ素直な感想は「僕には想像もできない、見ることも、ましてや入ることもできない世界だなー」というのは正直なところです。いくらプログラミングが好きだといっても全てをそれにはささげられない。カトラーとその部下は本当に何もかもを捨ててまでNTに打ち込んでいました。その姿を見る(読む)と狂気すら感じてしまいます。そんなとてつもない物語です。


それでは少しメモしたところをご紹介。

死の床で、もっとはたらけばよかったと言う者はいない

働きすぎの皆さん、ご注意を。

疲れ切った状態ではたらくのは、生産的ではない

普通のプログラマーの十倍もの仕事をこなす優秀なプログラマーだからこそ言える言葉ですね。

そして、デバッグに力点がおかれる。しかし、さまざまな理由から、何人もがNTの一部を書き換えた。人生を書き換える者すらいた。

(((;゚Д゚)))なにこれ、コワイハナシですか。(この後、仕事に没頭しすぎて夫と離婚する女性の話が続く)

月並みな仕事しかできないのは、才能がないからではない。意思に問題があるからだ。

すいません、おっしゃる通りです。

バグをプログラマーが避けて通れない「職業病」と呼び

あ、アレは病気だったんだw

(他社ソフトのバグが原因だと分かった夜中の2時過ぎにその担当者に対して)
自分たちがはたらいているんだから、相手をおこしてもいいだろう
(その後電話をかけた)

その理論何かがおかしいw

開発費の総額は一億五千万ドルであり

OSの開発ってやっぱりすごいんですね(Linuxはいくら相当だっけか?)

(他のOSとの互換性に苦労しNTを完成させたあと)
十年たったら、別のオペレーティングシステムを設計していて、NTとの互換性をとらなければならないと、ため息をついているだろう。

何というジョークwww


MSが嫌いでもこの本は読んでおいて損はないはず。一つのソフトウェアの作成が物語になるなんて、凄すぎるよ。