スティーブ・ジョブズ-偶像復活

ずいぶん前に読み終わっていたんだけど、まとめるのを忘れていた。。。僕は読んだら記憶が新しいうちにまとめないと内容をすぐ忘れてしまうというのに。


前回紹介したスティーブ・ジョブズの流儀 - maru sourceでは「ジョブズってやっぱり凄いんだなー」という感想だったけど、この本はまったく違いました。一言で言うなら「最高にひどい男」です。後のアップル共同創始者のウォズニアックをだましたり(後にばれる)、自分の子供を認知しなかったり(後に認める)、アップルでの傍若無人ぶり(後に追放される)、などなど。本当にひどい男です。本書の中でも多数の社員がジョブズのことを恐れていることを書いています。それ以上にジョブズに魅了されている社員がいるんですけど。何故そんなにひどい男なのに魅了されている人がたくさんいるのか。それは多分、製品への愛情や徹底的なこだわりやなんだろうな。でも本当のところは一緒に仕事をしてみないと分からないと思うけど。
そうそう、ジョブズの類まれなる話術はATフィールドならぬReality distortion field(現実歪曲空間)と呼ばれているそうです。


それではいつものごとく、少し気に止めたところの引用と感想でまとめていくかー。(読み終わってからずいぶん時間がたったのであまり覚えて無いけど)

普通の人にとって『デザイン』というのは、ベニヤ板さ。インテリアだよ。カーテン布とかソファの材質といったね。でも、僕にとっては、デザインの意義をこえるものなんて考えられない。デザインというのは、すべての人工物の基礎となる魂のようなものなんだ。人工物は、製品とかサービスとかを連続的に取り囲む外層という形で自己表現するんだ。

デザインを表面的な物の形としてではなく、物の根幹として考えているんですね。だから恐ろしいほどにこだわるんですね。

  • p384

(pixerとディズニーの打ち合わせで)
近くに座ったディズニーのシニアアドバイスプレジデントが、白雪姫やくまのプーさんはすごい人気なので、バズやウッディの売り上げも伸びるはずだ、とうまい説明をする。スティーブはため息をつき、マーケティング的には一理あることを認める。「確かに、プーさんはすごいからな」

これはワロタw「確かに、プーさんはすごいからな」ってwジョブズに凄いと言わせる、プーさん最強!!

  • p401

アメリオがCEOになってすぐ、CTOのエレン・ハンコックとともに、低価格コンピュータの開発プロジェクトをはじめており、「スティーブが返り咲いた時点で、あと3ヶ月か4ヶ月で完成するところまですすんでいた」とアメリオは言う。「それにスティーブがiMacと名前をつけ、自分の手柄にしたのです」。アメリオ時代、エンジニアリングを担当していた重役も、「スティーブが戻った最初の3年間に送り出された製品は、ほとんどギルの時代に開発がはじめられたものばかりです」と証言する。

これですよ。ジョブズの怖いところは。アップル再建もかなりの部分をアメリオはやっていたらしいです。

  • p404

昔、Macチームのマーケティングマネジャーが「スティーブは、毎朝、鏡に映った自分を見て市場調査をする」と表現した時期があった。それは変わっていなかったともいえるが、周りの人たちにも鏡を見るようにうながし、その意見を聞くようになったという違いがあった。

自分自身がターゲットユーザであり、自分が欲しいものはみんなも欲しい。そう考えているんですね。一度はこれで失敗したようですが、最近はこれが見事にはまっているみたいです。

  • p434

(iPodが発売され、米国のミュージシャン達の感想)
「MP3プレーヤーなら3つも持っていたけど、どれも使いこなせなかった。こいつは、手にして45秒で使い方が分かったよ」
「どれほどの情熱と時間、そして愛がこれに注がれたか、よくわかるよ。最高だ。今すぐ欲しいね!」
「ふたつ買うよ。ひとつは自分用、ひとつはガールフレンド用さ。だれにも貸したくないからね!」
「こいつは、他の製品のケツをけり飛ばすほどのできだね」

僕が学生の頃確かに、みんなiPodを持ってました。これだけの感想を言われる万人向けの製品って他にあるんだろうか??


最後に、もっとも印象に残った一言を引用して終わりにします。

デザインされたとわからないくらい自然なデザイン

これぞ究極。