自分が使って幸せになるものを作る

未来の自分へ、 当時考えていた事を残しておく。


2018年,2019年は10人程の部に所属していた。その部署はユーザ投稿に責任を持つ部署だった。部署の役割はそのユーザ投稿を伸ばすこと。

僕はそこで部長という役割を任されていた。メンバーと一緒にユーザ自身もまだ気づいてないけど、ユーザが求めるものを見つける旅をする。インタビュー、プロトタイプ、テスト、議論を繰り返したし、デザインスプリントもたくさん回した。最高のメンバーと楽しくもあり大変でもある旅ができた。

でも今年は部長という役割を降りることにした。同時に社内の組織変更(これはよくある)も行われて、今は30人ぐらいの部署に所属している。ただし部署の役割は大きく変わったわけではない。

なんで降りたかいくつか理由はあるけど、一番は「ものづくり」がしたいから。いや当時もものづくりはしていた。でも僕のものづくりは「自分が使って幸せになるもの」というのが暗黙的に含まれてることに改めてきづかされた。思い返せばいつだって自分が使うものを作るときが一番楽しかったのだ。

僕は誰かのためにものを作り、そして誰かが幸せになる。ということに残念ながらあまり情熱をもてない。あくまでも第一義的には「自分が使って幸せになる」だ。ものづくりをしている人の中には誰かのために情熱を持てる人もいて、素直にすごいなと思う。でも、僕はこの2年間でそうはなれなかった。自分の情熱は狭い。奥さんや子供が幸せになることはその情熱の中心に入るけど。

そんなわけで、正解もわからないし、終わりがあるのかもわからない旅を、こんな気持で続けていくのは難しい。実際、2019年末に自分自身で疲れてるのを実感していた。

会社で雇われてる身としてはこの考えは完全にあまいというのは理解しているし、プロダクト開発に関わるものとしては失格かなとも思う。でもなんとか折り合いを付ける必要がある。

そこで部長という役割をおりて(降ろしてもらい)、エンジニアとして会社に貢献することにした。もちろんプロダクトのことを何も考えず、ただひたすらコードを書く人になるわけじゃない。どこに主軸を置くかの話である。

一方で「ものづくりがしたい」はどうやって叶えるのか。 それは主にプライベートでやっていくことにした。と言っても今までもやっていたことを続けていくだけなのであまりかわらない気もする。以前よりもう少し力をいれるようになるのかな。

仕事ではエンジニアとして貢献し、給与と技術力を磨く機会を得て、プライベートでは自分が使って幸せになれるものをつくる。

それが現時点での僕の落とし所だ。部長という役割をお願いされたとき、3年は続けてみようと思っていた。なので逃げてしまった罪悪感みたいなものが頭の中を漂う。でも2年間走りきったというのも確かだ。そう思って気持ちを切り替える。

ちなみに降りた他の理由は「やっぱりエンジニア職は楽しい」「エンジニアリングとマーケティング(広義)の二足を履くのは超高難易度」「マーケティングの道は行き残れる人数が少ない」というのを感じたから。

結婚して数年、子供もうまれて自分の価値観が変わりつつあるのを感じる。だから数年後には違うことを言ってるかもしれない。それはその時また落とし所をみつけてやっていく。

育休が終わり明日からエンジニア復帰だ。仕事でプロダクションレベルのコードを書くのは数年ぶり。うまくやっていけるといいな。